第58回コンソーシアム人材セミナー 開催報告

平成30年7月3日(火) 、第58回コンソーシアム人材セミナー「 人生の大半を過ごす会社生活を充実させるには /ハリマ化成株式会社 西岡 務 氏による講演」を開催しました(参加者101名)。

概要

本講演は、ハリマ化成株式会社 西岡 務 氏を講師として、「人生の大半を過ごす会社生活を充実させるには」と題して行われました。西岡氏は、広島大学 工学部 第Ⅲ類(応用化学)を卒業後、日東電気工業(現:日東電工)株式会社に入社し、技術開発に従事されました。その後、アメリカ・シリコンバレーへの海外赴任や、開発チームのマネージメント、そして取締役として企業経営に携わるといった多岐に渡る職務を経て、平成28年よりハリマ化成株式会社にて研究開発センター長や研究開発カンパニー長など歴任されています。このような西岡氏が歩んできた30年の企業人生を題材として、本講演では、企業人としての取り組みや考え方,心構えや価値観について深く教えていただきました。特に、「企業人となるためには『学ぶフェーズ(大学)』から『創造/協創するフェーズ(企業)』へ変革することが必要である」というお言葉は、これから企業人に成り行く大学院生や研究員に“企業人となる心構え”を授けたように感じました。
また、企業R&Dの役割や多様化するサービスの紹介から『モノからコトへの変換』の重要性を教えていただくと共に、日本企業とアメリカのベンチャー企業との比較や市場におけるシェア/ニーズのお話を通して、新たな世界へ挑戦する重要性や、情報収集やサービス向上の具体例も教えていただきました。最後に、大学・大学院において勉学・研究に励むことで基礎学力を向上させると共に、常に物事の価値を考え、他者に自身のコンセプトを理解させることができ、そして新しい産学連携を行う研究者・企業人になって欲しいというメッセージを頂きました。

参加した学生から参加者の感想(一部)

(1) 講師が所属する企業・組織の経営理念や活動内容などについて、「共感」した点

  • 「モノ→コトへの変換」や「売上シェア」など普段の生活では意識しなかったお話を聴くことができ、改めて「価値」「コンセプト」などが重要であると感じました。「教えてもらう」という段階から「自ら答えを考え出す、見つけ出す」ように自分も変化していきたいと思いました。(理学研究科 女性)
  • 講師の方の目標が会社をより良い会社にして、「もったいない」から「面白い」会社への変革であることを知り、積極的に改革を行うことは必要かつ重要であると感じました。(生物圏科学研究科 男性)
  • 会社人として一番大切なことは「好きな事をやる」「好きになること」「人材でなく、人財を育てる」ことに共感しました。(生物圏科学研究科 女性)
  • 「自分の思い通りに動けないチームマネジメント、チームビルディングの重要性」「一人の力は限界あり、コミュニケーション力を高め、マクロ・ミクロの視点を養うべし」「価値感の変化はヒトから起きる」に共感しました。(社会科学研究科 男性)
  • 全ての事象は直接・間接的に繋がっている、価値を考え抜くとは「あったら良いではなく、なくてはならない」であることに共感した。(理学研究科 男性)
  • 講師の方は、転職をされる時など、楽しむことが大切と仰っていました。私も何事も、どんな局面も楽しもうとする性格なのでとても共感しました。(生物圏科学研究科 女性)

 
(2) 講演やディスカッション内容に関する感想・印象に残ったこと

  • 「人生」「仕事」「企業」今まで向き合った事の無い内容ばかりでとてもついて行く事が大変でした。しかし初めての事を考える事が楽しく、またこのような機会があれば参加したいと考えています。(生物圏科学研究科 男性)
  • 日本と海外の企業の考え方の違いや、シェアNO1の意味など「なるほど」と思う話がたくさん有りました。普段の生活の中意識して考えた事が無かったアイデアやお話が聴けてとても新鮮でした。(理学研究科 女性)
  • 顧客満足度を考え、1番を目指すことが大事(2番以下は誰も知らない。1番であると皆が知っている)、1人の力では限界が訪れるため、チームビルディングが重要であるとのお話が印象に残りました。(生物圏科学研究科 男性)
  • 一社会人として今後生きるために大切な心得の一つとして学ばせて頂きました。成長のためにはイノベーションを起こす必要があり、変化を恐れない気持ち、あるいは変化を愉しむ心持を持つことが大事であると考えさせられました。(生物圏科学研究科 女性)企業は持続的なイノベーションが必要、変化しなければ淘汰される、結果の良否の判断は顧客、市場が行い、自己判断できないというお話が印象に残りました。(社会科学研究科 男性)
  • モノから発想するのではなくコトから発想する、1番である意味とは誰もが知っていることであり、そこに情報が集まる(NO1ブランド)、ガラパコスにならないために変化する起こす場所に自らを置き「何故」と言う考えを常に持つこと、が大変印象に残りました。(理学研究科 男性)
  • いくら技術は良くても、お客様や世界のニーズに寄り添うことができなければ意味が無いというお話が印象に残りました。目的をきちんと考えることが社会人として必要になると思いました。(生物圏科学研究科 女性)